Cosmophysics Group Seminar(2012)

7-Feb-2013

久徳浩太郎  「(super/ultra-)heavy cosmic rays from binary neutron star mergers」

アブストラクト:
Binary neutron star mergers eject neutron-rich material. The nuclei in the ejecta are synthesized to become r-process elements, and then the ejecta form blast waves colliding with the interstellar medium like supernova remnants. It is widely recognized that galactic supernova remnants are responsible for accelerating cosmic rays up to knee energy (~10^15.5 eV). We study the acceleration of r-process elements and the possibility of (super/ultra-)heavy cosmic rays from the binary neutron star mergers.

24-Jan-2013

郡和範  「Modifications on large scale structure by warm dark matter or long-lived charged massive particles」

アブストラクト:
I show you some recent resuts of our work, arXiv:1301.2744 [astro-ph.CO]. In the first half of my talk, I review warm dark matter and long-lived charged massive particles, and their implications for modern cosmology.

参考文献:
Title:Structure of Dark Matter Halos in Warm Dark Matter models and in models with Long-Lived Charged Massive Particles
Authors: Ayuki Kamada, Naoki Yoshida, Kazunori Kohri, Tomo Takahashi
arXiv:1301.2744 [astro-ph.CO]

Title: Cosmology with Long-Lived Charged Massive Particles
Authors: Kazunori Kohri, Tomo Takahashi
arXiv:0909.4610 [hep-ph]

10-Jan-2013

齋藤惠樹  「Cosmological tests of models for the accelerating universe in terms of inhomogeneities」

20-Dec-2012

大山祥彦  「Lensing reconstruction using redshifted 21 cm fluctuations」

アブストラクト:
将来的な21cm線観測は、宇宙のdark age及び再電離時の探査ができる観測として、 近年注目されている。この21cm線の温度ゆらぎにはCMBと同様に、物質による重 力レンズの影響で、ゆらぎの像が歪められるという効果が存在する。今回は、 CMBにおける重力レンズ再構築の手法を拡張することで、21cm線が受ける重力レ ンズ効果の情報を取り出す方法をレビューする。この21cm線を利用したレンズ再 構築は、SKAのような将来観測であれば、達成できる感度があり、さらにPlanck 衛星によるCMBの観測よりも、ノイズの小さなレンズ再構築が行える可能性が示 唆されている。

参考文献:
O.Zahn, M.Zaldarriaga, 2006 ApJ 653 922,
W.Hu, T.Okamoto, Astrophys.J.574:566-574,2002

18-Oct-2012

小玉英雄  「Cosmology by maximal gauged sugra」

アブストラクト:
最大の局所超対称性をもつゲージ化された超重力理論は, 超弦理論・M理論と密接な関係をもち,またそれ自体で豊かな構造をもつ. 特に,その大きな局所超対称性にもかかわらず, 全く超対称性を持たないMinkowski真空やde Sitter真空をモジュライポテンシャルの臨界点として持つ. このゲージ化された超重力理論の概要を紹介し, さらにSO(4,4)をゲージ群として持つ極大超重力論の de Sitter極点でのインフレーション宇宙論の可能性について議論する.

参考文献:
H. Kodama, M. Nozawa: arXiv: 1210.4238
G. Dall'Agata, G. Inverso: NPB859: 70 (2012) [arXiv:1112.3345]
G. Dall'Agata, G. Inverso, M. Trigiante: arXiv: 1209.0760.
B. de Wit, H. Samtleben, M. Trigiante: JHEP 0706:049 (2007) [arXiv:0705.2010]

6-Sep-2012

井岡 邦仁  「ガンマ線バーストの偏光」

アブストラクト:
最近、IKAROSに搭載されたGAP検出器によって、ガンマ線バーストの偏光が観測された。 偏光度はエラーが大きいものの30~80%という高い値を示した。ほとんどのバーストで偏光があるとしても矛盾はなく、 偏光角がバースト中に変化するものもあった。この結果は、ガンマ線バーストの起源に対して重要な意味を持つ。 特に、ジェットが磁場からできている可能性(つまり中心エンジンから磁場が放出される可能性)がある。 一方で、ジェットが輻射からなる場合でも偏光が生成されることも示唆された。本セミナーでは、 ガンマ線バーストの偏光とジェットの組成に関して考察する。

参考文献:
D. Yonetoku et al., arXiv:1111.1779
D. Yonetoku et al., arXiv:1208.5287
A. M. Beloborodov, arXiv:1011.6005

28-June-2012

野澤 真人 「Nonlinear sigma models in supergravity」

アブストラクト:
非線形シグマ模型はターゲット空間に値を持つスカラー場の理論であり、 弦理論やCFT以外にも様々な物理を記述する普遍的な模型である。 特に、超重力理論では大域的対称性Gが非線形に実現された 等質空間G/Hとして登場し、さらにG/Hが対称空間である場合には、 ゲージ化された超重力理論の構築やブラックホールの唯一性等において 重要な役割を果たす。今回はその応用として、D=4, N=8超重力理論での ポテンシャルの極点を求める新たな手法について概略する。

参考文献:
G. Dall’Agata and G. Inverso, Nul. Phys. B859, 70 (2012)
On the vacua of N=8 gauged supergravity in 4 dimensions

7-June-2012

高見 一 「Transient Sources of Ultra-high-energy Cosmic Rays and their Observational Evidence」

アブストラクト:
近年の最高エネルギー宇宙線の観測の進展に伴って、未だ理解されていない最高 エネルギー宇宙線源を宇宙線観測から探ろうという試みが行われてきた。しかし、 その研究の対象は専ら定常ソースであって、ソースの物理から数多くの非定常ソ ースが提唱されている現状にそぐわない。本セミナーでは突発的な高エネルギー 現象に伴って最高エネルギー宇宙線が生成される場合について、その影響が宇宙 線観測にどのような影響を与えるかについて議論する。

29-May-2012

久徳 浩太郎 「連星中性子星合体の電磁波対応天体」

アブストラクト:
連星中性子星の合体からの重力波は近い将来に我々が観測できる重力波として 最も有望だと目されているが、重力波が検出されたことを確実にするためには 電磁波など他の手段でも合体が起こったことを確認することが強く望まれる。 そこで連星中性子星合体からの重力波とそこから期待されるサイエンス、 また過去に考えられてきた電磁波対応天体を概説した後に、 新たに我々が考えた電磁波対応天体の候補を紹介する。

参考文献:
B. Metzger, E, Berger, ApJ, 746 (2012) 48

24-May-2012

水田 晃 「ガンマ線バーストジェットの開き角 」

アブストラクト:
ガンマ線バーストはローレンツ因子100以上の相対論的ジェットからの 放射であると考えられている。 残光の光度曲線の折れ曲がりの時期から開き角が 数度から20度程度と見積もられいる。 希薄なガス中を伝搬する相対論的ジェットの開き角は、 バルクローレンツ因子の逆数程度であるが、 重力崩壊型超新星爆発起源のガンマ線バーストは ジェットが親星の外層を突き破る時に外層を引き連れてブレイクするために、 ジェットの開き角はバルクローレンツ因子の逆数とはならない。 そこで、流体シミュレーションによってどの程度ずれるのか評価し、 ジェットの開き角が ( 5xバルクローレンツ因子)の逆数程度となった。

26-Apr-2012

吉野 裕高 「AdS 時空での高エネルギー粒子衝突におけるブラックホール形成」

アブストラクト:
高エネルギー粒子衝突におけるブラックホール形成は、以前は ブレーンワールドシナリオでは加速器でブラックホールが生成 される可能性があるという動機によって調べられていた。最近 は AdS/CFT 対応を使って、加速器実験における相対論的な重 イオン衝突に対する示唆を得る目的で、AdS時空での高エネル ギー粒子衝突が調べられている。今回はこのテーマに関連する 論文を理解できたところまでレビューしたい。

参考文献:
Gubser, Pufu, and Yarom, PRD78 (2008), 066014

12-Apr-2012

齋藤 惠樹 「修正重力理論における短波長摂動の反作用」