Cosmophysics Group Seminar(2011)

23-Feb-2012

松本 光洋 「ブラックリングの蒸発の時間発展」

16-Feb-2012

大山 祥彦 「Constraining neutrino mass and effective number using 21cm observations at reionization 」

アブスト:
21cm線観測は宇宙のdark age、再電離時の探査ができるとして 近年注目されている。 本発表では、21cm線による観測の概要の説明と、 再電離時の21cm線観測により宇宙論パラメータの制限が どの程度得られるかについて議論する。 今回は特にニュートリノ全質量和、及び有効世代数に対する制限の 結果を示す。

参考文献:
Steven R.Furlanetto, S.Peng Oh, Frank H.Briggs, arXiv:0608032
Jonathan R. Pritchard, Elena Pierpaoli, Phys Rev D 78, 065009
Jonathan R. Pritchard, Elena Pierpaoli, Nuclear Physics B (Proc. Suppl.) 188 (2009) 31-33
M.McQuinn, O.Zahn, M.Zaldarriaga, L.Hernquist, S.R. Furlanetto, Astrophys.J.653:815-830,2006
Steven R.Furlanetto, S.Peng Oh, Frank H.Briggs,arXiv;0608032

22-Dec-2011

野澤 真人 「Effective theory of massive IIA AdS(4) compactifications」

アブスト:
有質量IIA型理論ではカイラルな物質相互作用を導入できることが 知られており、現実的なコンパクト化モデルとして注目されている。 今回は、モジュライ固定の観点から低エネルギー有効理論の構成法 のレビューと(時間があれば)その宇宙論への応用について述べる。

8-Dec-2011

井岡 邦仁 「重力波の対応天体」

アブスト:
重力波の対応天体、特に中性子星連星の合体が電磁波で どのように見えるか、について考察する。

1-Dec-2011

大山 祥彦 「再電離時の21cm線観測による宇宙論パラメータの制限」

アブスト:
21cm線観測は宇宙のdark age ,再電離時の探査ができるとして 近年注目されている。 本発表では、21cm線による観測の概要の説明と、再電離時の 21cm線観測により宇宙論パラメータの制限が、どの程度得られるかに ついて議論する。 現在CMB観測によりニュートリノ質量和に対して<0.62eVという制限が 与えられているが、21cm線観測はこのニュートリノ質量和に対し、 より強い制限を与えられる可能性がある。

参考文献:
Jonathan R. Pritchard, Elena Pierpaoli, Phys Rev D 78, 065009
Jonathan R. Pritchard, Elena Pierpaoli, Nuclear Physics B (Proc. Suppl.) 188 (2009) 31-33
M.McQuinn, O.Zahn, M.Zaldarriaga, L.Hernquist, S.R. Furlanetto, Astrophys.J.653:815-830,2006
Steven R.Furlanetto, S.Peng Oh, Frank H.Briggs,arXiv;0608032

24-Nov-2011

郡 和範 「Inflation, Curvaton and Inflating Curvaton」

アブスト:
The primordial curvature perturbation ¥zeta may be generated by some curvaton field ¥sigma, which is negligible during inflation and has more or less negligible interactions until it decays. In the current scenario, the curvaton starts to oscillate while its energy density ¥rho_¥sigma is negligible. We explore the opposite scenario, in which ¥rho_¥sigma drives a few e-folds of inflation before the oscillation begins. In this scenario for generating ¥zeta it is exceptionally easy to solve the ¥eta problem; one just has to make the curvaton a string axion, with anomaly-mediated susy breaking which may soon be tested at the LHC. The observed spectral index n can be obtained with a potential V¥propto ¥phi^p for the first inflation; p=1 or 2 is allowed by the current uncertainty in n but the improvement in accuracy promised by Planck may rule out p=1.

参考文献:
arXiv:1110.2951v2 [astro-ph.CO]

10-Nov-2011

小玉 英雄 「交叉Dブレーンモデル(続)」

アブスト:
IIA型SSTでの交叉Dブレーンを用いた素粒子モデル構成について, 前回のJCでのトークで説明不足であった基本的なアイデア,特に, アノ-マリーに関連した基本事項について解説する.

27-Oct-2011

齋藤 惠樹 「Ambiguous Tests of General Relativity on Cosmological Scales」

参考文献:
J. Zuntz, T. Baker, P. Ferreira and C. Skordis, arXiv: 1110.3830.

20-Oct-2011

松本 光洋 「Black hole instabilities and local Penrose inequalities」

参考文献:
P. Figueras, K. Murata, H. S. Reall, [arXiv:1107.5785 [gr-qc]].

6-Oct-2011

水田 晃 「相対論的ジェットの伝搬と収束」

アブスト:
ガンマ線バーストのコラプサーモデルでは相対論的なジェットが親星外層中を伝搬する。 ジェットは外層との相互作用によって強い衝撃波を作り運動エネルギーを散逸する。 熱的になったプラズマは横方向に膨張しコクーンを形成する。 この過程を解析的手法で考慮した Bromberg et al.(arXiv :1107.1326) にもとづいて議論する。 ジェットの光度、外層の密度分布、開き角などによって、ジェットの収束の様子が 変化すること、スケールは異なるがAGNジェット、マイクロクェーサージェットへの応用を考える。

8-Sep-2011

富沢 真也 「Less symmetric black holes」

21-Jul-2011

大平 豊 「Blazar and relativistic shock acceleration」

アブスト:
銀河中心の巨大ブラックホールから相対論的な速度のジェットが出ている。 そのジェットが、我々観測者に向いている天体をBlazarと呼ぶ。 Blazarの最近の観測結果、放射機構とスペクトルの標準モデル、 相対論的衝撃波粒子加速などを紹介する。

参考文献:
Inoue, S., & Takahara, F., 1996, ApJ, 463, 555
Kirk, J. G. et al., 1998, A&A, 333, 452
Sato, R., et al., 2008, ApJ, 680, L9
Garson, A. B. Ⅲ et al., 2010, ApJ, 722, 358
Keshet, U., & Waxman, E., 2005, PRL, 94, 111102
Baring, M. G., 2011, Adv. Space Res., 47, 1427

14-Jul-2011

川中 宣太 「Photon Orbital Angular Momentum」

アブスト:
光子にはエネルギーやスピン角運動量以外にも軌道角運動量 (orbital angular momentum)と呼ばれる物理量が付随していることが 物性の分野ではよく知られている。今回は天体からの放射の 軌道角運動量の観測可能性とそれが担いうる天体の情報について 最近のいくつかの論文をもとにレビューを行う。

参考文献:
Allen et al. 1992, Phys. Rev. A. 45, 8185
Leach et al. 2002, Phys. Rev Lett. 88, 257901
Harwit 2003, ApJ, 597, 1266
Elias 2008, A&A, 492, 883
Tamburini et al. 2011, Nature Physics 7, 195

30-Jun-2011

吉野 裕高 「粒子衝突における重力波放出の摂動解析:レビュー」

アブスト:
大きな余剰次元があるシナリオでは加速器においてブラックホールが 形成される可能性があるが、その際に放出される重力波がどの程度の エネルギーを持ち去るかを計算することは重要な課題である。ひとつ のアプローチは、数値相対論でシミュレーションすることであるが、 技術的困難によりあまり進んでいない。一方で、重力波の一部につい ては摂動の方法で解析することが可能である。これは4次元の場合に は D'Eath and Payne によってなされたが、最近Herdeiro らによって 高次元の場合に拡張された。今回はこの論文の概要と結果を紹介する。

参考文献:
Herdeiro, Sampaio, and Rebelo, arXiv: 1105.2298.

23-Jun-2011

井岡 邦仁 「Tidal Disruption Jet from a Massive Black Hole: Swift J1644+57」

アブスト:
最近発見された巨大ブラックホールによる星の潮汐破壊+ジェットに関してレビューする。

参考文献:
Bloom+ 11, arXiv:1104.3257
Levan+ 11, arXiv:1104.3356
Burrows+ 11, arXiv:1104.4787
Zanderer+ 11, arXiv:1106.3568
Krolik & Piran 11, arXiv:1106.0923
Rees 88

16-Jun-2011

大山 祥彦 「再電離時の21cm線観測を用いたニュートリノ質量への制限」

アブスト:
現在CMB観測によりニュートリノ質量和に対して<0.62eVという制限が 与えられている。 再電離時の21cm線将来観測は、このニュートリノ質量和に対し、 より強い制限を与えられる可能性がある。 本発表では、21cm線により強い制限をニュートリノ質量和に 与えられることの説明と、21cm線による観測の概要を説明する。

参考文献:
Jonathan R. Pritchard, Elena Pierpaoli, arXiv:0805.1920
Jonathan R. Pritchard, Elena Pierpaoli, Nuclear Physics B (Proc. Suppl.) 188 (2009) 31-33
Steven R.Furlanetto, S.Peng Oh, Frank H.Briggs, arXiv:0608032

9-Jun-2011

郡 和範 「速度依存する対消滅散乱断面積をもつダークマターモデルの宇宙論的検証」

アブスト:
2008年秋から2009年春にかけてPAMELA衛星とFermi衛星により、宇宙 線の陽電子・電子が標準的な宇宙物理学の理論予想より過剰に検出されたと報 告されました。それに対し、素粒子論的な興味ではダークマターの対消滅によ る陽電子・電子生成のモデルが多数考案されてきた。観測された陽電子・電子 過剰を説明するために必要な散乱断面積の値は、熱浴から作られて現在に残る ダークマターの量を説明するために必要な散乱断面積の値より、1000倍も 大きく、その比の値はブーストファクターと呼ばれている。 今回のセミナーでは、そのように大きなブーストファクターを出す可能性のあ る速度依存する散乱断面積が、いかに宇宙論的に影響を及ぼし、他の観測から 厳しく制限されるかについて解説します。

2-Jun-2011

小玉 英雄 「Introduction to the toric CY compactification」

アブスト:
最近,ヘテロ型超弦理論(M理論)で標準モデルを再現しつつ モジュライ安定化を実現するモデルの構成法として, Calabi-Yau多様体のトーリック構成とその上のモナードベクトルバンドルが 注目されている.この方法の基本アイデアとその背景を (この分野の素人として勉強した範囲で)紹介する.

参考文献:
E. Witten: "Strong coupling expansion of Calabi-Yau compactification", NPB471:135 (1996).
M. Kreuzer: "Toric Geometry and Calabi-Yau Compactifications", hep-th/0612307.
Seung-Joo Lee: "Combinatorics in N = 1 Heterotic Vacua", arXiv:1105.3462.
Lara B. Anderson, James Gray, Andre Lukas, Burt Ovrut: "Stabilizing All Geometric Moduli in Heterotic Calabi-Yau Vacua", arXiv:1102.0011.

26-May-2011

齋藤 惠樹 「High frequency limit in f(R) gravity」

アブスト:
Isaacson (1968)などにより、一般相対論においては、高周波摂動の 反作用を表す有効エネルギー運動量テンソルが重力波として振舞う ことが知られている。 本発表では、f(R)重力における有効エネルギー運動量テンソルの 振舞いに対する研究の、途中経過を報告する。

参考文献:
R. A. Isaacson, Phys. Rev. 166, 1263 (1968).
R. A. Isaacson, Phys. Rev. 166, 1272 (1968).
G. A. Burnett, J. Math. Phys. 30, 90 (1989).
Green and Wald, arXiv: 1011.4920.

19-May-2011

野澤 真人 「Black holes in an expanding universe」

アブスト:
Black holes in the isolated and stationary spacetimes have been intensively studied so far. They are completely characterized by conserved charges and exhausted by Kerr family. Black holes in non-isolated and dynamical background, on the other hand, have been less understood. In particular, the black-hole spacetime which is asymptotically FLRW universe is of considerable importance when discussing formation and evaporation of primordial black holes. In this talk, I will give a talk on the study of `black hole candidate' recently obtained by Ohta et al, which is specified by a set of harmonic functions. We established that this geometry indeed describes a black hole in a decelerating FLRW universe satisfying appropriate physical conditions. This solution can be generalized to a universe with an arbitrary power law expansion and to any number of spacetime dimensions. Furthermore, we show that in five dimensions this solution is pseudo-supersymmetric in fake supergravity coupled to arbitrary number of scalars and gauge fields. We discuss physical properties and causal structures in detail.

参考文献:
Kei-ichi Maeda & Masato Nozawa, Phys.Rev. D81 (2010) 124038; D83 (2011) 024018

12-May-2011

水田 晃 「Photospheric thermal radiation for GRB promot emission」

アブスト:
ガンマ線バーストの即時放射に関しての放射機構の一つとして 光球面からの熱的放射モデルがあげられる。 最近の理論的、数値シミュレーションから得られた結果に関して紹介する。

参考文献:
Lazzati et al. ApJ 732, 34 (2011)
Nagakura et al. ApJ 731, 80 (2011)
Pe'er ApJ 682, 463 (2008)

21-Apr-2011

富沢 真也 「D=4 SL(2,R) duality & ブラックホールの新しい厳密解」

14-Apr-2011

大平 豊 「A Reconnection Switch to Trigger Gamma-Ray Burst Jet Dissipation」

アブスト:
Prompt gamma-ray burst (GRB) emission requires some mechanism to dissipate an ultrarelativistic jet. Internal shocks or some form of electromagnetic dissipation are candidate mechanisms. We review and discuss the magnetic dissipation in GRB Jets.

参考文献:
Jonathan C. McKinney and Dmitri A. Uzdensky, arXiv:1011.1904